ダーシャのブログ

ゆるゆる生きてていいじゃない

成人式で地獄を見た話

この度、私も無事に成人式を迎えれたわけであるが、コロナに伴い地元の成人式が延期になってしまった。しかし、住民票のある市から成人式の案内が来ており、どうせなら成人式に参加してやろうとなった。

まあ、式に出るだけだしすぐ終わるだろう

成人式なんてお偉いさんの話を聞くだけであるし、終わった後の写真を撮ったりする集まりに参加しなければ、どうってことないと思っていた。式に参加することに意味がある、そう感じていた。

私は当日、父が成人式で使ったお古のスーツを着て、髪の毛をセットしコンタクトもはめ、これぞ晴れ舞台に相応しい格好になった。家族で写真を取り、意を決して成人式会場へと向かったのである。

会場に向かう車の中では、知らない女の子と仲良くなってくるわ、なんて軽口を叩ける余裕があったが、いざ会場に入るとその余裕は砕け散ってしまった。

一人だと流石に浮く

受付を済ませ、会場があくまでの時間を入り口付近で待つのであるが、沢山の人だかりの中、ポツンと一人でいるのは寂しいものであった。俺は誰かを待っているんですよ、風にスマホを開いたりして必死にぼっちではないと周囲にアピールを続けなければならなかった。

いざ、会場が開き、続々と新成人が入っていく。私もその波に紛れて会場に流れ込んだ。会場では出身中学校ごとに用意されているのだが、ここで大きな誤算が発生する。私は自分の住んでいる地区の中学校の席に向かうと、思った以上に人数が少なかったのである。

これは大丈夫なのか、と不安になる気持ちを抑え、私は空いている席へ腰を下ろした。

地獄とはこういうものか

私は猛烈な後悔に襲われていた。なぜこんな仕打ちを受けなければならないのだろう。私はただ成人式に来ただけである。なのになぜだ。ジロジロ、ジロジロ、見られている。

私が座った席はちょうど女の子の塊の席と、男の子の塊の席に挟まれた場所であった。そして結局その中学校の人数は60人も来なかったのである。前の女の子たちも、チラチラと後ろをわざわざ振り返り、「誰?」「知らない…」とヒソヒソ話している。

とりあえず全員に久しぶりだな!お前〇〇じゃん、と話しかける男がいたが、私の顔をガン見した後にスルーしていった。男どもも後ろの方で「誰やねん、あいつ。」とコソコソ話している。普通に聞こえたよ。

私も意地を張り、絶対にスマホをいじることはしなかった。堂々と背筋を伸ばし、スピーチを聞いているふりをし続けた。最後のプライドであった。

お前たちは思い出話で盛り上がっていれば良いんだ、お願いだから私を放って置いてくれ、そう願うも虚しく、ずっと好奇の目にさらされ続けたのだ。思えば、写真を撮られなくて良かったのだが、私の心には消えない傷が残ることになった。

いい経験になった

一人行動に慣れているさすがの私でも、今回の知らない土地の一人成人式は堪えるものであった。私にもう少し勇気があれば、知らないやつとも仲良く話せたのだろうか、と思ったりもしたが、まあ過ぎたことである。

また一つ、私は強くなった。今後の話のネタになる。頑張っていこう。

もう二度、知らない土地の成人式は行かない。