ダーシャのブログ

ゆるゆる生きてていいじゃない

小説

目覚まし時計

会社員をしているエルさんという人がいました。 エルさんはいつも八時に出勤して五時には家に帰ってくる、そんな生活を毎日続けていました。 時刻は、六時三十分。エルさんの寝室に鳥のさえずりが流れ、朝日が差し込みます。エルさんの起床時刻です。 「朝に…

人 [2017/12/24作成]

物陰に隠れている男がいた。黒い装束に身を包み、頑丈なヘルメットを被っている。傍らにはかの有名な自衛隊が使用している89式5.56㎜小銃によく似た銃がある。しかし、それは青白い光をまとっていた。 冷静に周囲を見渡す男。しっかりとした緊迫感は感…

支配者

その部屋には多くの科学者たちが集まっていた。部屋には沢山の料理が並べられていた。部屋の中は騒がしく、皆酷く興奮した様子であった。 「ついにやりましたね。」 「ああ、目標は達成だ。」 若い研究員と白髪頭の教授が感慨深げに話していた。 「歴史に名…

35周年記念企画

「ケルト神の一人、オグミオス。召喚に応じ参上した。問おう。お前が私のマスターか。」 突如として僕の目の前に現れた男はそう言った。身体をすっぽりと覆い隠すローブに身を包み、左手には水晶のはまった木の杖、右手には禍々しい分厚い本を持っている。そ…

科学は進歩する

科学が進歩するというのは素晴らしいことだ。私は長年研究者としてやってきたがつくづくそう思う。昔から機械が人を助けて、人に答えを与えてきた。その基となる人工知能の研究を続けてきたが、もう機械には敵わなくなった。機械は自分の脳さえも作るのだ。…

ロボット

「じゃあ、お先に失礼します。」 「ああ、お疲れさん。」 上司とのやり取りを交わしてから、エスさんは職場を後にしました。帰りの電車に揺られながらエスさんはボーっと考え事をしていました。 エヌさんは最近残業が続いていることを気にしており、お嫁さん…

お悩み相談室

毎月一日だけ、街の片隅でひっそりと開かれるお店がありました。それは陽気な麻酔科医と気の強い看護師が開くお悩み相談室でした。そこには様々な悩みを抱えた、少し変な人が訪れます。そして今日も一人のお客がやってきました。 「ここが噂の……なんかパッと…